転職活動では書類選考に応募しても、落ちることはざらにあります。
好景気ならまだいい方で、不景気になると本来は通過するような人でも落ちまくりです。
転職のタイミングをずらせばいいんじゃないかと思うかもしれませんが、どうしても応募したい企業が1年後も募集しているとは限りません。
そこで、知りたくなるのが、受かる職務経歴書です。
さすがに受かると言っても、全部通過とはいきませんが、今よりも確率が10%、20%上がるだけでも違いますよね。
果たして、そんな受かる確率を上げてくれる職務経歴書の書き方を解説している本はあるんでしょうか?
実は、motoさんという方が書いた、「転職と副業のかけ算」という本があります。
私も転職経験がありますが、もっと早くこの本に出会いたかったくらいおすすめです。
では、「転職と副業のかけ算」とはどんな本なのか、見てみましょう。
「転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方」ってどんな本?
一言で言うと、受かる職務経歴書の書き方が分かる本であるというのは、冒頭でも述べました。
ただ、それはあくまでも本書の一部です。
副題として、「生涯年収を最大化する生き方」と書かれているように、全体としては、キャリア論・稼ぎ方について書かれている本です。
だから、単なるノウハウ本として読むのは、もったいないです。
全体を通して読むと、著者の考え方が分かるので、その上で、自分が気になる箇所を読むと、より理解が深まります。
転職と副業のかけ算の著者プロフィール
1987年生まれ。長野県出身で地元の短大卒業後、ホームセンターに就職。以後、リクルート、楽天など計5回の転職を経験。業界をずらした転職をすることで、全ての会社で年収アップを実現する。現在は6社目の某スタートアップ企業で年収1,500万円を稼ぎ、副業年収も5,000万円超に達している。その副業として運営していたブログ(現在は法人化)の転職アンテナは、2019年にバリューコマースから年間MVPとして表彰される。新R25や東洋経済オンラインなどメディアにも多数取り上げられており、Twitterのフォロワー数は12万フォロワーを超える。
学歴は関係ない
motoさんは1987年生まれなので、大卒であることが当たり前の時代にあって、短大卒です。
しかし、本の副題にもあるように、生涯年収を最大化するために、早く社会に出られる短大を選んだとのことです。
もうすでにこの時点で、他の人とは考え方が違うことが分かります。
わらしべ長者のように転職
最初の就職はホームセンターです。そこからステップアップしていって、今は年収1,500万円?
にわかに信じられないでしょうが事実です。
motoさん曰く、年収アップは業界か職種をずらす必要があると述べています。
例えば、同じ人事職でも小売よりもコンサルティングの方が遥かに年収が高いです。
つまり、生産性の高い業界へ行けばいいんですね。
でも、いきなり小売からコンサルティングに行くのは難しいので、その間にいくつか違う業界を挟むのがポイントです。
わらしべ長者のようだというのは、そういうところからきているんです。
STARS法則で書かれた職務経歴書は必見
STARS法則って聞いたことありますか?
転職が初めての人は馴染みがないかもしれません。
それもそのはず。motoさんが提唱している法則なのですが、全くのオリジナルではありません。
原型となっているのが、STAR法則です。
STAR法則とは
STARとは、Situation(状況)、Task(課題)、Aciton(行動)、Result(結果)の頭文字をとったものです。
この流れに沿って文章を書いたり、話したりすると、相手にわかりやすく伝えられるメリットがあります。
STAR法則にSelf-appraisalを加えた
motoさんのSTARSはSが加わっているのがポインです。
ここでSTARS法則を確認しておきましょう。
Situation:どんな環境で
Task:どんな任務を持ち
Action:自分は何を実行して
Result:結果どうだったのか
Self-appraisal:振り返ってみてどう思うか
この最後のSelf-appraisalがあるのとないのとでは大きな違いがあります。
なぜなら、結果までだと、自己満足や自慢と捉えかねられないからです。
採用する側は自社で活躍できる人材を求めているので、自己満足だと、「あぁ、凄いね」で終わってしまい、本当にアピールすべきことができなくなってしまいます。
しかし、最後に振り返りを加えてあげることで、志望先でも再現性があることをアピールできます。
職務経歴書の職務内容(実績)で使う
STARSをどこで使えばよいのか分かりませんよね?
職務経歴書の中でも職務内容の実績でSTARSを使うんです。
実際に、著書には、職務経歴書の一部である、職務内容と実績が載っていて、実例を見ると、どんなスキルがあり、考え方、行動をするのかをイメージしやすい内容になっています。
始めて職務経歴書を書く人や、書類選考通過率を高めたい人は、STARS法則が書かれているページを参考にしましょう。
キャリアサマリーも要注目
STARS法則以外では、キャリアサマリーも要注目です。
キャリアサマリーとは
職務経歴書の冒頭に職務経験の要約を書くのが一般的ですが、それをキャリアサマリーや職務要約と呼んでいます。
キャリアサマリーの文字数は200~300字で書くのが定番で、転職サイトなどからダウンロードできる職務経歴書サンプルに書かれているものを見ると、箇条書きであっさりと書いてあるものもあります。
motoさんのキャリアサマリーは違う
motoさんのキャリアサマリーは、一般的なものと違います。
その違いは、文字数と書き方です。
定番は200~300字と述べましたが、motoさんの場合は500字近くあります。
4社分の内容が書かれているので、文字数が増えるのは当然です。
無理やり200~300字に収めようとすると、内容がスカスカになってしまうので、転職経験が多い人は無理に圧縮する必要はありません。
また、書き方は、詳し過ぎず、事実ベースにとどめている印象があります。
「自己紹介に近い感じでツッコミどころを用意しておく」
と著書に記載されていますが、もし採用担当者だったら、面接に呼んで詳しく聞いてみたくなる内容になっています。
「転職と副業のかけ算」まとめ
- 全体を通して読んで、著者の考え方を身につけた上で、自分が気になる箇所を読むと理解が深まる
- STARS法則で職務内容の実績を書くと再現性をアピールできる
- キャリアサマリーは、採用担当者が面接に呼んで詳しく聞きたくなるように、詳しく書き過ぎない
受かる職務経歴書の書き方のポイントが書かれているのは、239ページのうち15ページしかありません。
もちろん、この15ページだけを読んでも、十分参考になるのですが、全体を通して読むことで、計4回(現在は計5回)の転職を成功させた著者の価値観、行動をインプットすることができます。
自身の転職を成功させたい人は、「転職と副業のかけ算」をぜひ一読しましょう。