人材派遣会社や人材派遣情報のサイトでも転職エージェントと同様に、職務経歴書のテンプレートがあります。そこで、提供している人材サービスのサイトについてまとめました。各サイトの職務経歴書テンプレートについて、どうすればもっと良くなるのかという解説も交えているので、併せて参考にしてください。
転職エージェントのサイトよりも職務経歴書テンプレートの数は少ない
人材派遣と転職支援は雇用形態の違いでしかないので、転職エージェントのサイトにあるのであれば、人材派遣関連のサイトでも職務経歴書のテンプレートがあると思うのは当然のことです。
ただ、どちらかというと、転職エージェントのサイトよりも人材派遣のサイトの方が提供数は少ないように感じます。
加えて、内容の充実度という点でも転職エージェントや転職・求人サイトで提供されているものと比べると、人材派遣会社・人材派遣情報サイトで提供されているテンプレートは物足りないように感じます。
人材派遣の場合、書類選考をするというよりは面接で判断するケースが多いので、その影響があるのかもしれません。
何れにしても、派遣先企業との面接で職務経歴書は必要になるので、面接で自分をアピールでき、面接を有利に進められるような構成・内容でしっかり作る必要があります。
しっかりした職務経歴書を作るのであれば、転職エージェントや転職・求人サイトで提供されているものを利用するのが良いかもしれません。
もし、人材派遣会社・人材派遣情報サイトから入手したいのであれば、以下の人材派遣会社・人材派遣情報サイトの一覧を参考にしてください。
職務経歴書のテンプレートを提供している人材派遣会社の一覧
アデコの派遣
外資系の人材サービス会社。全部で8種類の職務経歴書テンプレートを提供しています。
パーソル パナソニック HRパートナーズ
パーソルテンプスタッフグループのパナソニック向け人材派遣会社。職務経歴書の書き方を編年体とキャリア式に分けて解説しています。併せて編年体とキャリア式の職務経歴書をダウンロードできます。
パーソルテクノロジースタッフ
anやdodaで有名なパーソルテンプスタッフグループのエンジニア人材派遣サービス。職務経歴書作成のポイント、職務経歴書Q&A以外に、職務経歴書の作成を助けるサンプルが7職種分ダウンロードできます。
スタッフサービス・エンジニアリング
スタッフサービスグループのものづくり系エンジニア専門人材派遣サービス。職務経歴書のフォーマットの他、サンプル画像や書き方のポイントを記載しています。
リクルートスタッフィング
リクルートグループの人材派遣会社。4種類のPDF版の職務経歴書サンプルが用意されています。他には履歴書のサンプルや面接対策ツールもあります。
人材派遣会社以外でおすすめのサイト
人材派遣会社以外のサイトで提供されているテンプレートを薦めるのにはわけがあります。それは以下の解説でも記述していますが、職務要約が書かれていないものが多いからです。これがあると読みやすさが違うので、書類選考で多くの応募者から選んでもらうためには書いた方が良いです。
そこでおすすめのサイトが人材紹介会社の検索ポータルサイトの人材バンクネットです。必要な項目が入ったテンプレートを無料でダウンロードできるだけでなく、サイト上には見本とともに解説もあるので理解しながら職務経歴書を作成できます。
またスカウト機能があり、人材紹介会社(転職エージェント)からのオファーの有無で完成度をチェックすることができます。その後派遣を希望している人は人材派遣会社に、そうでない人は転職・求人サイトや転職エージェントに登録をして転職活動を進めましょう。
人材派遣サービスが提供する職務経歴書テンプレートの解説
アデコの派遣が提供する職務経歴書テンプレートの解説
アデコの派遣には、一般事務・営業事務、経理、人事・総務、販売・接客、就業経験が浅い方(第二新卒)、経験がアルバイトのみの方、ブランクのある方(留学を経験)、派遣での就業経験が多い方の職務経歴書テンプレートがあります。
この中で、就業経験が浅い方(第二新卒)、経験がアルバイトのみの方、派遣での就業経験が多い方のテンプレートの解説は、次にあげる3つのページで紹介しています。
パーソル パナソニック HRパートナーズが提供する職務経歴書テンプレートの解説
パーソル パナソニック HRパートナーズには、編年式、キャリア式の派遣経験者向けの職務経歴書テンプレートがあります。
編年式の派遣経験者向け
編年式の派遣経験者向けの職務経歴書テンプレートは、希望職種、職務経歴、スキル・資格、志望動機、自己PRという流れで構成されています。
まず気になったのが、職務要約が書かれていません。
このテンプレートは編年式という時系列で職歴を書いていく形式なので、職務要約も時系列で書くと良いです。
担当業務と期間、可能であれば成果も書くと魅力的になるでしょう。
職務経歴やスキル・資格、自己PRは上手く書かれています。
ただ、志望動機がはっきりしません。
せっかく自己PRでセールスポイントを挙げているのですから、それを活かしたいという形に持っていくべきです。
キャリア式の派遣経験者向け
キャリア式の派遣経験者向けの職務経歴書テンプレートは、希望職種、職務経歴、スキル・資格、志望動機、自己PRという流れで構成されています。
こちらもまず気になったのが、職務要約が書かれていないことです。
このテンプレートはキャリア式で書かれているので、職務要約もキャリア式で書くと統一感が出て良いと思います。
営業事務と一般事務について経験期間と業務内容、可能であれば成果も書くと、どんな人材なのかが簡単に伝わります。
職務経歴、スキル・資格、自己PRも問題はありませんが、志望動機は改善の余地があります。
編年式と同じように、セールスポイントを活かしたいからつなげていくと説得力が増します。
パーソルテクノロジースタッフが提供する職務経歴書テンプレートの解説
パーソルテクノロジースタッフには、[IT]WEBクリエイター、[IT]アプリケーションエンジニア、[IT]ヘルプデスク・サポート、[IT]インフラエンジニア、[機電]組込みソフト設計、[機電]回路設計、[機電]機械設計の職務経歴書テンプレートがあります。
[IT]WEBクリエイター
WEBクリエイターの職務経歴書テンプレートは構成を見ると、職務経歴、得意分野・技術、業務内容、使用可能ツール・言語、自己PRの順に書かれています。あなたはこの構成を見て気付くことはあるでしょうか?
実は、職務要約が冒頭に書かれていません。絶対に職務要約を書かないといけないわけではありませんが、採用担当者が時間が限られている中でたくさんの応募者から面接に進ませる人物を選ぶ時には職務要約を見ているので、書いた方が絶対に良いです。
また、業務内容は時系列で書かれているようです。転職回数が少ないのでこれで問題ありません。なお、職務要約も時系列式で書いておくと良いです。大学卒業から新卒入社した会社、職種と経験年数、成果・実績、簡単な自己PRを200~300字でまとめればOKです。
業務内容の構成は問題ありません。表を使って、簡潔に分かりやすく書かれています。使用可能ツール・言語も問題ありません。しかし、自己PRは直した方が良いです。BtoBとBtoCのどちらかを書くということですが、それにしても内容が足りないです。「~したい」ではなく「~できる」や「~の力がある」で始めて、それが得られた背景や具体的エピソード、問題事案とどのように解決したかを書いていかないとアピールになりません。
[IT]アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアの職務経歴書テンプレートは、職務経歴、得意分野、開発経歴、取得資格等、テクニカルスキル、自己PRという構成になっています。
テンプレートを見て思ったことは、枚数が4枚に渡っているということです。通常は2枚以内で書くのですが、4枚というのは多いという感覚です。しかし、漏れなく書こうとすると4枚になるのは止むを得ません。
もう一つ気になったのが、職務要約がないことです。これだけの分量であればこそ職務要約があれば読みやすさが増すのですが、ないので読みにくいもしくは読み進めようと思わないです。職務要約の書き方はWEBクリエイターの部分を参照してください。
次に開発経歴ですが、他の職種でいう職務内容にあたるわけですが、時系列で書かれているので、順を追って成長度が分かるという点では良いです。キャリア式にできないかと思ったのですが、重複する部分が無いので、やはり時系列式で書かないとまとまらないです。
テクニカルスキルや自己PRの書き方はこれで問題ありません。ところどころ注釈があるので、初心者にとっては参考になります。
[IT]ヘルプデスク・サポート
ヘルプデスク・テクニカルサポートの職務経歴書テンプレートは、職務経歴、得意分野、職務経歴、習得知識・スキル、取得資格等、自己PRという流れで構成されています。
まず気になったのが、職務経歴が2つある点です。おそらく作成した人の間違いだと思いますが、最初の職務経歴は後の職務経歴と統合した方がすっきりします。
また、得意分野、習得知識・スキル、取得資格等の3つに関しても得意分野・知識・スキルという項目にしてまとめて箇条書きで書いた方がまとまって見えるので良いです。
職務経歴の流れは時系列式で表を使っていて見やすいので良いです。しかし、自己PRは文章で書かれていて、内容もセールスポイントがハッキリしないので良くありません。例えば、「新しい現場への順応力があります」と宣言してから、それが得られた背景、どんな困難や問題があって、どのように乗り越えてきたかを書かないと説得力がありません。
[IT]インフラエンジニア
インフラエンジニアの職務経歴書テンプレートは、職務経歴、活かせる経験・知識・技術、業務内容、取得資格等、テクニカルスキル、自己PRで構成されています。
アプリケーションエンジニア同様4枚の分量になっていますが、冒頭に職務要約を書いた方が良いでしょう。長いのは止むを得ないので、最初にどんなキャリアを歩んできたのかが一目でわかる簡単なものがあれば、その先を読み進めようという気にさせてくれます。
活かせる経験・知識・技術はこれで問題ありませんが、自己PRの手前に持ってきても良いです。
職務経歴は業務内容と統合してスペースを省略しましょう。業務内容の流れはこれでいいです。時系列式プラス表を使っているので見やすいです。
資格取得やテクニカルスキルも特に問題はありません。しかし、自己PRは改善した方が良いです。箇条書きとエピソードという形式で書かれているのは良いのですが、箇条書きの部分がセールスポイントになっていません。エピソード部分の書き方は背景、困難・問題と解決を書きましょう。
[機電]組込みソフト設計
組み込みソフト設計の職務経歴書テンプレートは、経歴要約・得意分野、職務経歴、開発経歴、資格・表彰等、自己PRという流れで構成されています。
まず、経歴要約・得意分野ですが、内容は得意分野のみという印象です。経歴要約と銘打っているのであれば、大学を卒業して新卒入社した会社で組み込みソフトの設計が○○年あり、△△の実績・成果を上げること0ができたという流れで書かないといけないし、採用担当者がパッと見てこの応募者はどんな人なのかなというのが分かりません。
職務経歴と開発経歴は統合しましょう。スペースの無駄です。資格・表彰などは問題ありません。
自己PRも悪くはないです。冒頭に箇条書きと下線付きで、「利害折衝能力に自信がある」と書いた方がインパクトがあります。
[機電]回路設計
回路設計の職務経歴書テンプレートは、経歴要約・得意分野、職務経歴、開発経歴、資格・表彰等、習得スキル・専門知識、自己PRで構成されています。
経歴要約・得意分野は内容が得意分野のみになっているので、資格・表彰等、習得スキル・専門知識とともに一つのカテゴリにして箇条書きに書いた方が良いです。
スペースの空いた冒頭には職務要約を書きます。書き方については組み込みソフト設計を参考にしてください。
職務経歴と開発経歴は統合します。開発経歴は転職経験が無いので時系列で書くのが適しています。また、表を用いているので見やすいです。
自己PRは何を言いたいのかが分かりません。セールスポイントを最初にはっきりと書かないと採用担当者にメッセージが伝わりません。「技術への執着心に自信があります」と書いてから、それが得られた背景や困難や問題に取り組んだ具体的なエピソードを添えれば良い内容になります。
[機電]機械設計
機械設計の職務経歴書テンプレートの構成は、経歴要約・得意分野、職務経歴、開発経歴、資格・表彰等、自己PRという流れになっています。
2枚でまとめられているので良いのですが、もう少し内容を書いても良いと思います。例えば、冒頭に経歴要約とありますが、実際には得意分野しか書かれていないので、職務要約を書きます。(書き方は上記の他職種を参照)
そして、職務経歴と開発経歴を統合して書きます。転職歴が無い人なので時系列式で書かれていますが、見やすくて良いです。資格・表彰等は得意分野と統合して書きます。
自己PRは何でもかんでもアピールしている感じでまとまりがありません。セールスポイントを「他部署との折衝力」「最高×名のマネジメントスキル」の2つに分けて箇条書きで書き、エピソードをその下に書けばアピール力が強い自己PRになります。
他にも派遣経験者向けの職務経歴書テンプレートはあります
アデコの派遣、パーソル パナソニック HRパートナーズ、リクルートスタッフィングなど人材派遣会社のサイト以外にも派遣経験者向けの職務経歴書テンプレートを提供しているサイトはあります。
詳しくは、「派遣経験者向けの職務経歴書テンプレートを探す」をご覧ください。